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皆さんはサックスと言われて、どんな音をイメージしますか?
吹奏楽が盛んな昨今ではありますが、やはり歌のバックバンドだったり、ビックバンドなどのジャズだったり、そういった世界で活躍しているサックスの音をイメージする方が多いかもしれません。
しかし!吹奏楽などクラシックで求められるサックスの音と、ジャズやポップスで求められるサックスの音はかなり違うのです!
「クラシックサックス」と「ジャズ・ポップスのサックス」にはどんな違いがあるのでしょうか。
まず当たり前ですが、求められる音が違います。
もちろんクラシック分野で活躍している奏者がジャズを吹いたり、逆もまたあるのですが、基本的には大分異なった音を求められています。
代表的な日本人奏者をあげると、クラシックは「須川展也」、ジャズは「渡辺貞夫」などがいます。
ぜひ音を聞き比べてみてくださいね。
また、それに伴って楽器のセッティングもかなり違っています。
クラシックの奏者が好むセッティングは、ラッカーや金メッキがかかった本体に、エボナイトなどで作られたラバーマウスピース(見た目が黒いです)、リードはジャズ奏者と比較して抵抗感の強い、硬めのものを好む傾向があります。
対してジャズ奏者は、ラッカー以外に銀メッキや塗装の無いアンラッカーと呼ばれる本体に、金属でできたメタルマウスピースと呼ばれるもの(ラバーを使う奏者もたくさんいます)、そしてリードは割と柔らかいものを好むようです。
そして奏法も大きく異なります。
クラシック奏者は下唇を下の歯に巻き込み、さらに痛くならないように歯にあぶらとり紙や、専用のプロテクターをしています。
対してジャズ奏者は下唇はほとんど巻きませんし、クラシック奏者にくらべ力がかかっていないで歯にあぶらとり紙をかぶせたりということはしません。
他にも、「サックス クラシック」と「サックス ジャズ」の違いを箇条書きにしてみました。
いかがでしたでしょうか!たくさんの相違点がおわかり頂けたと思います。
もちろん奏者も人なので本当に様々なタイプの奏者がいます。
サックス クラシック奏者やサックス ジャズ奏者がそれぞれのジャンルで演奏する場合でも、その違いが完全に分かれているわけではありません。
極論を言えば、クラシックやジャズ関係なしに素晴らしい奏者がたくさんいます。
みなさんも是非、たくさんの奏者の音に耳を傾けてみてください。
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サックスの歴史とともに、どんな違いがあるのか見ていきましょう。
さて、そもそもサックスがどのように誕生したのかと言うと、なんと「アドルフ・サックス」という方が発明した楽器なのです。
自分の名前をつけるほど心底気に入った楽器だったのでしょうね。
分類としては木管楽器なのですが、軍楽隊(マーチングバンド)などにおいて、木管楽器と金管楽器の中間的な役割の楽器をということで開発されたそうです。
そう、実はジャズポップスでの使用を前提として作られた楽器ではないのです!
しかし、1920年代に活躍した「コールマン・ホーキンス」など、ジャズの発展とともにサックスはその知名度を高めていきます。
ジャズでなぜサックスが使われていたかというと、当時ジャズバンドの楽器は、トランペットやドラムなど軍楽隊の流用が多かったから。
さきほどあったようにサックスは軍楽隊や吹奏楽等での使用をメインに考えられて作られましたから、こういった経緯からジャズバンドにサックスが存在していたのはとっても自然な流れなのでした。
こうして開発当初とは大分方向性の違うところでサックスは一躍有名になりました。
クラシックは、作曲家へのリスペクトが基本にあって、その上で演奏者のテクニックや表現が問われます。
しかし、テクニックや表現はほとんどが「口伝え」で、その通りにやらないと「ダメだし」を貰います。
間違い探しのような感じで、悪いところを探してはそれを正していくという感じです。
正直、長い間クラシックの世界にいたのですが、音楽の楽しさを見いだせなくなっていました。
それが、ジャズに転向してからは音楽は楽しいと思えるようになりました。
まず、ジャズは「いいね」から始まるのです。
誰かと一緒に「いいねえ」を共有する喜びに満ちています。
間違い探しから始まるのではなく、まず受け入れてくれるのです。
クラシック時代は、肯定される経験がなかったのですが、ジャズに転向してからは、自分がやっていることが受け入れられている実感が思考も前向きなものへと変えてくれました。
自分自身の音楽が生き生きしてきて、演奏するたびに雰囲気に合わせて音色が違う、というまるで「生き物」のようなのがジャズだと感じています。