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倍音がよく出る楽器はピアノやギターだと言われていますが、楽器だけでなく声にも、倍音が含まれています。
音とは単一に純粋な音だけではなく、常にたくさんの周波数がふくまれているのです。
どういうことかというと、ドの音を出しても実際にはドの音だけではなく、その他の音(周波数の整数倍)も一緒に出ているのです。
このドの音以外の音の部分を倍音といいます。
元の音を「基音(きおん)」と言います。
この場合はドが基音になります。
倍音が意識して出せるようになると豊かな音になります。
逆に言えば豊かな音は倍音が聞こえるのです。
たとえば、一番低いドを出しているときでも、吹き方を変えれば、
オクターブキーを押さなくても、一オクターブ高いドの音を出すことができます。
この状態は低いドに対して、2倍音を出していることになります。
倍音を出せることで、音に厚みが生まれ同じ音程でも太い音に聞こえます。
逆に倍音が少ないと薄い音になり、高音になればなるほど音が痛く感じられます。
こんな時は、「倍音がカットされちゃってるね」と表現したりします。
これだけで、わかりづらかったらWikipediaを見てみます?
ますます、わからなくなると思いますが(笑)
倍音の意味が分かっても、始めの頃は倍音が聞こえることはありません。
聞こえているのですが、初心者には脳が認識できないのです。
しかし、絶対音階を持っている一部の人だけが聞こえるかというと、そうでもなく、日ごろから注意していれば聞こえるようになります。
どのくらいで聞こえるようになるかというと、経験年数次第です。
人によって違いますが、数年〜10年以上かかると思っていた方がいいでしょう。
倍音が聞こえるようになると演奏がより楽しくなりますよ。
でも、倍音が聞こえない状態でも致命的な話でもないので演奏するのには不自由はありません。
倍音をコントロールするためのトレーニングをオーバートーンといいます。
オーバートーンは、唇の噛み具合を変えて音を出すのではなく、喉をコントロールして音を出します。
先ずは動画をご覧ください。
(最低音のシ♭の指を押さえたまま音を変えています。)
最初は、最低音の運指シ♭の指で倍音を出していきますが、慣れてきたら他の運指もチャレンジしてみましょう。
シ♭ → 上のシ♭ → ファ→ さらに上のシ♭ ・・・
(第一倍音→第二倍音→第三→第四・・・)
意図的に音をひっくり返してピーッ!キーッ!などの音を出すことができれば、もう少しで倍音を出すことができます。
吹きながら口の中を狭くすることで、息の速度を上げていきます。
口の形は「ユ」を意識し、もっと上の倍音を出す時には「ヒ」という感じになります。
違いは舌の位置で、「ユ」に比べて「ヒ」は、舌が上に上がっています。
舌の位置を上げることで、高音の域の倍音を出せるようになります。
口の形
顎の骨の首側に凹んだところを、指で押し上げることで息の速度が速くなる感じを掴むことができます。
口の容積を広くすると、自然に舌の位置は下に下がり、音程は下がります。
口の容積を狭くすると舌の位置は上に上がり音程は上がります。
このように口の容積を調節することで倍音をコントロールすることができます。
慣れてくると、喉の開きや舌の位置も変えずに、口の容積の調節だけで倍音を意識的に吹き分けることができるようになります。
倍音を出すには、口の周りの筋肉やほほの筋肉が強くなければ吹き分けることができません。
倍音の第七、第八が出せるようになると、フラジオ音域も自然にだせるようになります。
*フラジオとは
一番高いファ#(F#)よりも高い音を出す奏法で、演奏の幅がさらに広がります。
いろいろ書いてきましたが、それでも倍音がよくわからないという人もいると思います。
そんな人のために、もう少し説明します。
口笛は同じ口の形ですが、微妙に舌の位置を移動しながら音を吹きわけています。
この口笛と同じで、口の中の容積を狭くしたり、頬をしめて口の中を細くする感じで音を吹き分けるのです。
そのためにはアンブシュアを鍛え、ロングトーンやアルペジオなど吹く練習が大切ですが、次のような練習も効果があります。
このトレーニングは楽器を持たないで練習することができます。
口を「ウ」と「イ」の形にして、交互に繰り返す練習方法です。
けっこうな練習量が必要ですが、多い人は一日1万回を繰り返す人もいます。
基本、数ヶ月ぐらいは1日3000〜6000回くらいはトレーニングしたいものです。
腹式呼吸はサックスを吹くときの基本です。
オーバートーンを出せるかどうかは、腹式呼吸の影響がとても大きいです。
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